里山に住み始めもうすぐ10年。改めて、地球のお庭や里山での暮らしについてその10年を振り返り、自然から得た知恵について綴っております。第1回は地球のお庭のはじまり、こちらのブログは第7回目セルフアウェアネスと世界を恐れている人の続きです)
前回は自分らしさの表現や人の幸せについて考える際に、セルフアウェアネスという概念が役に立ちますのでそのお話と、世界を恐れている状態とは、どのような状態か、そして香りがどのように働きかけるかについてお話ししました。
今回は、世界に抵抗する人のお話です。
アナと雪の女王から学ぶこと
アナと雪の女王のストーリーはご存知でしょうか?
世界に抵抗する人というのは、このお話のエルサに例えることができますので、このお話の例えに重要な部分についてのみストーリーを説明しますね。
アレンデール王国の王女である幼いアナとエルサは仲の良い姉妹です。姉のエルサは生まれつき雪を作り出す魔法を使うことができました。
ある日、2人でエルサの魔法で遊んでいたところ、エルサの魔法でアナを傷つけてしまいます。アナを救うためには、エルサの雪の魔法に関する記憶をアナから消し去らなければなりませんでした。
エルサは成長するにつれて力が増し、この力を世間から隠すために部屋に閉じこもり、エルサは誰にも会わない抑圧された生活を強いられました。
アナはなぜエルサが自分を避けるのか、なぜ部屋に閉じこもったままなのかが理解できず寂しい思いをして過ごしました。
エルサが20歳の誕生日に、アレンデールの女王に即位することになります。エルサはこの戴冠式を迎えるまでの13年間、自分の部屋に閉じこもり誰とも顔を合わせませんでしたが、その日だけ、閉ざしていた城の扉を特別に開放することにしました。
この時、エルサの魔法の力は強すぎてすでにコントロールを失っていましたが、その日1日だけでも魔法の力を隠し通し、民衆の前に顔を出すことを決意します。
そして戴冠式の日。魔法の力を隠しとおすことができず、民衆に力がバレてしまいます。そこから、エルサは山に逃げ、雪の城を作り一人で住むことに決めました。王国は冬の国になりました。
この時歌った歌があの有名な「Let It Go~ありのままで~」です。
ありのままの姿見せるのよ
ありのままの自分になるの
わたしは自由よ
これでいいの
少しも寒くないわ
それから、アナはエルサを救い王国に夏を取り戻すために、エルサを探しに出ます。
アナは雪の城につき、アレンデールに夏を取り戻すようエルサの説得を試みます。しかし、エルサは自分の魔法で再び誰かを傷つけることを恐れ、雪の怪物マシュマロウや氷の矢を使って、アナたちを追い返しました。
その時、エルサの魔法でアナの心臓に氷が入り込み、このままでは永遠に凍ってしまうという危険な状態に陥ります。
真実の愛の行動だけが、心臓の氷を取り除くことができます。
ストーリーの大事な山場は色々と展開していきますが、最終的にエルサは、アナの愛に気づき、愛の力でアナを救うことができました。
愛の力を信じて自分を閉ざさなければ、この雪と氷の世界から抜け出せると気づいたのです。エルサは愛の力で自分の魔法の力をコントロールできるようになりました。
アナとエルサも姉妹の絆を取り戻し、エルサは他人を脅すためではなく楽しませるために魔法の力を使えるようになりました。アレンデール王国にも夏が戻りました。

世界に抵抗する人とは?
世界に抵抗する人とは、エルサが山に逃げ、雪の城を作り一人でそこに住むことに決め、力強く「Let It Go~ありのままで~」を一人で歌っている状態のことです。
一人で雪の城の中で誰とも会わず暮らし、悩んでいたことを手放して、もういいわ!思いっきり自分の力を解放してやるという決意表明の歌です。
エルサのように部屋に閉じ込められ、抑圧された形で育てられたりすると、ある時、爆発して、エルサのようになっていることがあります。

セルフアウェアネスでいうと、内面的自己認識にねじれが生じている状態で、本人はこれが私のありのままと思っているのですが、この状態で世界とかかわるのは不可能です。
世界を信頼できず、雪の城にエルサを救いに来たアナですら、雪の怪物マシュマロウや氷の矢を使って、追い返し氷にさせられてしまう状態です。
世界を敵と捉え、素直に心を開くことができず、愛をもった他者からのフィードバックでさえ、否定的に捉えてしまい、さらにセルフアウェアネスを低くしていく状態です。
ありのままって?
人には当然、長所と短所があります。長所と短所は紙一重です。
例えば、
(短所)言葉がきつく人を傷つける ⇔ (長所)本音で語り深く切り込む
(短所)難しく考える ⇔ (長所)熟考し真実にたどりつく
(短所)視点が狭い ⇔ (長所)一つのことのスペシャリストになる
短所と長所は、人の個性にもなる部分で、自分の中の個性が今、短所(-)として表現されているか、長所(+)として表現されているか、どちらで表現されているかの違いです。
短所がたくさんあるから、+に変容していける可能性がたくさんあるとも言えます。
短所がもし0の場合、+にしていく可能性は持ち合わせていないということですから、短所は強みにもなり得ます。
そして、長所の前に「私は世界のために」とつけてみてください。
私は世界のために本音で語り深く切り込む
私は世界のために熟考し真実にたどりつく
私は世界のために一つのことのスペシャリストになる
短所が+に転じると、「世界のために表現できる」ことがポイントです。
世界に+で表現していくと、当然フィードバックも増え、外面的自己認識が高まります。
さて、エルサのことを考えてみましょう。エルサには「雪を作り出す魔法」という個性があります。
「(短所)雪を作り出す魔法で人を傷つける」これが、どう転じれば世界につながっていけるでしょうか?
誰も来ない山の中で雪の城を作り、一人で住むことに決め、力強く「Let It Go~ありのままで~」を一人で歌っている状態は、「雪の魔法を自分の防御のために使う」という状態です。
一時的に自分を守るためにそういう状況も必要ですが、それは本当はありのままではないのです。
短所が-の極みに振りきり、自分の殻に閉じこもり、世界とはつながっていけない状態。ともすれば、氷で人を傷つける状態なのです。
でもエルサはこれが「ありのままの私」「これが本当の私」と思っちゃってるわけです。
この状態に陥っている人がいます。
この状態では、能動的に自分や人と向き合うコースは、今は無理です。例えば、セラピストになり人と向き合うことを目標とするコースなど。
その人が悪いわけではないですし、セラピストが向かないというよりは、今はそのタイミングにないのです。
途中でコースをやめることになる人がまれにいますが、たいてい強く世界に恐れているか、強く世界に抵抗しているかの状態の人です。
まずは自分でエルサになっていることに気づき、山から降りてこないと難しいのです。雪の城を築いた状態のエルサには、誰からの声もまともに届きません。
エルサを例にとると、非常に世界に抵抗している状態の人というのがわかりやすいですが、エルサほど極端ではないけれど、世界に抵抗することは、内面的自己認識のゆがみにより、ちょこちょこ日常の中にも生じます。
何かを選択するときに、世界につながるのか、世界に抵抗しているのか、考えてみてください。短所が+に転じるのではなく、-の極にむかっていないか。
それは無意識で、根深く癖になっているパターンの場合もあるので、意識的に見ないと、気づきにくくなっているかもしれません。
例えば、ひねくれた状態で開き直ったり、相手を低く見たり、自分から離れる人を悪く言ったり、助言を悪く取りわかってもらえないとか、自分には合わないと距離を置いたり、
自分では当然正当な理由と思っているでしょうが、それは自分の中のゆがみで世界を見て、世界から離れ、抵抗し、雪山に閉じこもる状況かもしれません。
エルサの「(短所)雪を作り出す魔法で人を傷つける」は最終的には「(長所)雪を作り出す魔法で人を楽しませる」に転じます。
世界とつながりながら、ありのままでいられるという選択もあるのです。
ストーリーはこの状態で終わります。

香りはあなたを否定しない
世界に恐れたり、世界に抵抗することは、多かれ少なかれ誰にでもあり、この部分を意識的に見つめながら、過ごすだけでも大きな気づきと人生の変容が得られます。
香りは、あなたのどんな感情も、世界に恐れたり、世界に抵抗したり、そんなあるがままの状態もすべて丸ごと受け入れてくれます。
世界に恐れる人のように、自分は人に比べて変化してないからダメとか、世界に抵抗している人のように、自分のやり方がある!こんなやり方ではダメだと思うこともあるかもそれません。
でも最後まであきらめず続けてみてください。最後にすべてのストーリーがつながっていたことに驚くはずです。

精油の香りから少し離れた潜在意識やセルフアウェアネスの話がしばらく続きました。
次回は再び精油の話に戻ります。
あなたが今日選んだ精油の抽出部位はどこでしょう?抽出部位には大事な意味が秘められています。次回からはそんなお話。