2022年11月から始まった読書会。
振り返ってこの本をもう一度見てみると、至る所に付箋を貼り心に引っ掛かった文章に線 を引いています。 深く深く立ち込めている霧に包まれて すぐ目の前にあるのに見えなくなってしまってい るもの、存在さえわからなくなってしまっていることが少しずつ霧が晴れ、輪郭が見えて きた…そんな感覚でした。
第2章のオオバコの精の言葉が強く心に残っています。
「もちろん、お手伝いするわ。私の仲間たちもよ。そうすることがとても嬉しいの。実は、 私たちは誰かがこうした助けを求めてくれることを、二百年間待ち続けていたの。求めら れなければ、私たちは何もできないの」
植物はなんて謙虚で寛容なのだろうか… 植物のスピリットは私たちが助けを求めるのを待っているなんて! このことを体験する出来事がありました。 読書会がスタートしてしばらくして、次女の大学入試がありました。 当日の朝、娘は体調不良を起こし試験会場の大学へ向かう途中、何度もコンビニでトイレ を借りる事態に。 真っ青な顔色で気分が優れないまま会場へ入っていきました。 大学は山々に囲まれたところにあり、たくさんの植物たちがいました。 私は、植物たちに助けを求めました。 「娘は、今体調が悪く苦しんでいます。娘はこの学校で沢山の事を学びたいと考えていま す。どうか娘を助けて下さい。」と 大学の中庭には何本かイチョウが植えてあり、初秋の暖かい日差しの中 紅葉して黄色く なったイチョウの葉っぱが風に吹かれて、ひらひらと舞い落ちていました。 イチョウの木に問いかけてみました。 「娘は、だいじょうぶかな?」と するとイチョウは 「心配しないで。大丈夫よ」と答えてくれました。
試験が終わって会場を出てきた娘に「どうだった?」と聞くと、「試験が始まった途端に嘘 みたいに体調が落ち着いた」と言ったのです。 「植物たちが助けてくれた」と思いました。それを確認する術はありません。でも確かに 植物のスピリットがやってきてくれたのだと確信しています。
序文には、「自然界は私たちが必要としているものを持っていて、しかも喜んであたえてく れるのですから、自然から盗む必要はありません。私たちはただ単純なルールに従うこと を求められています。つまり、必要な分だけ頂き、頂いた相手が満足するものを返すとい うことです。」とあります。
私ができる植物たちへのお返しって何だろう?かと考えています。 この地球上に存在する生命全てに、私たちは畏敬の念をもって接しなければならないので はないのか? 現代の私たちの住む世界はあまりにもそこからかけ離れてしまっているの ではないのだろうか? 私たちが今、目にすることができる美しい自然は私たちの先代から引き継いだもの。それを未来にも引き継いでいけるにはどうしたらいいのだろうか?
第 1 章の「ホセ、人が持つことのできる力には二つのタイプがある。ひとつは自分自身の 個人的な理由のために使われる。もうひとつは部族の皆のために使われる。おまえは一番 目か二番目のタイプの力の道へと歩いて行くことができる。だが、このことはおまえに言っておこう。二番目の道が幸福へと向かう道だ」というシャーマンの言葉はそのヒントに なっているように思います。
私と植物のスピリットが友情を結ぶ夢が叶いますように。 この本はその手助けをしてくれるメディスンなのだと思います。 傍においてこれからも読み返していきたいと思います。
最後に読書会でみなさんと学べて楽しい時間を過ごすことができました。 一人で読んでいては気が付かなかったことを発見できたり、皆で共感することがあったり と得ることが多い時間でした。
最終回では、村上みりこさんにお話を聞くことが出来なん だか不思議なご縁だなと思いました。 本当にありがとうございました。