今年力を入れているバッチフラワーレメディに関連する植物の観察。4月中旬に観察したチェストナットバッドから観察記録を綴りたいと思います。
バッチフラワーレメディとトチノキ
バッチフラワーレメディの中に「チェストナットバッド」「ホワイトチェストナット」というレメディがあります。
この2種のレメディは、西洋トチノキから採取できるレメディで、チェストナットバッドは「新芽」から、ホワイトチェストナットは「花」から採取します。
また、「レッドチェストナット」というレメディもあり、これはベニバナトチノキの花から採取できるレメディになります。
トチノキに関連するレメディはバッチフラワーレメディの38種のうち3つということです。
チェストナットバッドは学ぶことができずに同じ過ちを何度も繰り返している人へのレメディ、ホワイトチェストナットは繰り返し同じことばかり考えてしまい、落ちつかず集中できない状態の人へのレメディとして用いられます。
この2種はやめたいのに「繰り返してしまう」という事に関連するレメディになりますね。
レッドチェストナットは、身近な人を過度に心配しすぎる傾向のある人に有用なレメディとして用いられます。
日本のトチノキの新芽
日本にもトチノキは山地に自生しています。
私が住んでいる里山にも、トチノキはあるのですが、非常に背が高い木でじっくりと観察するのが難しいです。
よく北広島に植物観察に行くのですが、大木なのに目の高さで花を見ることのできるトチノキ(Aesculus turbinata)があり、気に入っている木の1本です。
今年はそのトチノキで新芽がどのように出て、葉を広げていくのかについてや、花を観察しようと決めていました。
北広島は県内では、雪が多く寒いところですが、4月の中旬、そろそろかなと思い立ち、トチノキのもとへ。
ちょうど新芽が出ており、まさにチェストナットバッドの状態を観察することができました。
新芽を触ってみると、とてもねちゃねちゃしています。この粘液は、寄生性の皮膚病やたむしなどに有用で、薬にもなります。
偶然にも、折れたばかりの小枝があり、それを持ち帰り、葉の展開を観察することにしました。
水に挿したトチノキの小枝。翌日、朝になって、葉の展開をみることができました。
2,3時間たつと大きく変化しているのがわかり、とても早いスピードで展開していったように思います。
驚いたのは、葉の葉脈にそって、きちんと葉が折りたたまれていること。とても秩序だって美しかったです。
トチノキの葉は掌状型で、対生。
小さな新芽の中にいったい葉は何枚あるのでしょうか? 数えてみたら、4対(8枚)もの葉が含まれていました。
トチノキの葉は、複葉で、小葉は7枚、時に5枚や9枚つけると図鑑にありました。(山溪ハンディ図鑑14 樹木の葉)
観察したものは最初に開いた外側の葉は、小葉が7枚。その後5枚、3枚と後に開いていくものの小葉の数は減っていきました。
この小葉は将来、中央の一番大きなもので20~40㎝にも成長していきます。
開いたばかりの、新しい葉たちが、大きく広がっていくのをイメージすると、一つの小さな新芽にはたくさんの可能性と、大きな発展が感じられました。
バッチフラワーレメディのチェストナットバッドは、経験から学び、新芽から出る葉のように、新たな展開、ステージ、成長をもたらすレメディであるという感覚が腑に落ちました。
馬とトチノキ
さらに、折れた小枝をじっくりと観ると、面白い紋様のようなものがあることに気づきました。
三角形で、7つの点々がV字にあります。調べてみると、これは、昨年落葉した葉がここについていた葉痕だそう。7つの点々は維管束の跡で、通常は5~9個ついているそうです。
葉痕は、主軸に対して、90度ずつ角度を変えながら枝の前後をはさむようにあります。
葉の小葉の数や、維管束の数など、トチノキは7という数を中心に9,7,5,3などの奇数がみられるようです。
この葉痕、皆さんには何の形に見えるでしょうか?
西洋では、馬蹄形に例えられています。
西洋トチノキの学名はAesculus hippocastanumですが、hippo=馬、hippocastanumには「馬のクリ」という意味があります。
西洋トチノキは、馬とつながりが深く、実際にトチの実は馬の治療薬として使われていたそうです。
植物の形態の中に、動物の象徴が観られ、それが実際の動物に有用なのは興味深いですね。
動物の象徴性を理解していくと、その植物についてより深く知る手掛かりになりえます。
馬から何を連想するでしょうか?
私は、かしこい、高貴、人間に近くコミュニケーションがとりやすそう(家畜、乗ることができる、野生の馬はいない?)、足が速い、軍用馬、競馬、馬車、人間次第で良いことにも悪いことにも利用できる。手綱をコントロールするのは、難しい場合もありそう。ユニコーン。そんなことをイメージしました。
調べてみると、「馬は速さ、権力、気高さを象徴する。キリスト教伝承では勇気を表し、東洋では火と天界を意味する」とあります。(D.フォンタナ 阿部秀典 訳 シンボルの世界)
それから、ギリシャ神話のポセイドンは海の神、地震の神として知られていますが、馬とも深く関わっており、「馬の神」とも呼ばれているそうです。
馬は大地と密接な関係があり、ポセイドンが大地を揺り動かす地震の神とされるのも納得できる気がします。
東洋では馬が火と天界を意味するのも、興味深いです。大地から天へ向かって俊敏に駆け上る馬をイメージしました。
トチノキは全体として重厚感があり、木陰になる木です。
掌状型の葉も、小葉の外側の先端が垂れ下がり、実もずっしりとしていて、「地(土)」エレメントとのつながりを感じます。
西洋トチノキは、日本のトチノキと違い果皮にトゲがあります。これは火星的な質と捉えることができます。「火」との関わりも見えますね。
トチノキの冬芽がネバネバしているのに対して、西洋トチノキの冬芽は乾いているそう。
西洋トチノキの方が、日本のトチノキより、「火」の要素が強そうですね。
花はどうでしょうか?花は小さな花が集まり、円錐花序です。
上に向かっているジェスチャーには軽さが見られます。
トチノキの中には、重さと軽さこの両極がトチノキの中に存在しているようです。
花の詳細は次の記事で書いていきたいと思います。