薬を創る道④薬創りはプロセス

こちらは
薬をつくる道①植物と対話しながらの薬作りとは | ハーバルメディスン|Herbal Medicine|植物療法|広島県広島市 (herbal-m.jp)

薬を創る道②植物との対話に必要な植物観察のステップ | ハーバルメディスン|Herbal Medicine|植物療法|広島県広島市 (herbal-m.jp)

薬を創る道③バッチ博士とレメディ探し・植物との共鳴 | ハーバルメディスン|Herbal Medicine|植物療法|広島県広島市 (herbal-m.jp)
の続きになります。

植物と対話しながらの薬創りについて綴っています。

前回は、植物観察を通じて、その植物との交感ができ、私たちの魂と植物との共鳴が起きること、フラワーエッセンスの生みの親であるバッチ博士は共鳴によって、38種のレメディ(薬)を見つけたことをお話しました。

今回は実際の薬創りの実際のお話にはいっていきます。

植物観察の流れ、ステップ4火の観察は、本質に触れるとありますが、観察したことを実際の行為に移しその行為を通じて本質に触れていきます。製剤作りは火のステップになります。

「植物観察の流れ」
土(ステップ1):先入観を排し、正確に見る
水(ステップ2):植物の生命力を感じる
風(ステップ3):植物の内にある魂の表現を観る
火(ステップ4):本質に触れる

薬の形

バッチ博士は38種のレメディを薬として作りました。これらのレメディは、太陽法という方法によって、植物のエネルギーを水に転写するという方法で作られました。

薬といっても、病院でもらう錠剤のようなもの、メディカルハーブ療法などで作るチンキや浸出油のようなものとは限りません。

また、薬と言えば、体調を整える、不調を改善するというようなイメージがあるかもしれませんが、バッチ博士は自分の発見したレメディーの本当の効果は、「人間を内なる神性に近づける」点にあると述べています。

西洋医学をベースにした薬についての固定概念を超えて、薬をつくっていく必要があります。

ある人は、観察したことを植物の染色に活かすかもしれません。ある人は観察から得たことを物語にするかもしれません。ある人は、観察したことから絵を描くかもしれません。

染色された布も物語も絵もすべて薬になりえます。どんなものが植物と人間の共同創造で生まれるか、多様な可能性があります。

大事なのは植物の力を、人間の霊的な部分も含めて人間にどう活かしていくか、植物と人間、何が一緒に創造できるか、植物が人間と何を創造したがっているか、そんなところを植物と対話しながら思考しながら薬を創っていきます。

薬作りはプロセス

自分自身の内側で起こる気づきを通してその観察している植物の本質的な力に気づいていくと話しましたが、薬作りもプロセスです。

プロセスそのものが、創り手にとっては薬になり、創り手を本質に目覚めさせていくプロセスであります。また、薬創りという行為を通じてその植物の本質にさらに触れていくことができます。

2021年から2023年の約2年にわたって「ドクダミ」という植物を受講生さんたちと観察してきました。

最初の1年はとにかく季節の流れの中で、ドクダミととことん向き合い、その本質を捉えていけるよう観察を続けました。

1年で終わる予定のレッスンでしたが、1年では観ることのできなかったたくさんのことがまだあることに気づき、皆の希望でもう1年ほどドクダミのレッスンを続けました。

2年目は観察だけではなく、火のステップにも入り、観察からどのようなドクダミの薬を自分の為につくればよいかを一人一人考えていきました。

私はドクダミのハーブティーのブレンドを考えました。

来年ブレンドハーブティーを皆様にお届けできる形にする予定なので、ハーブティーの目的やブレンドの内容などを今ここでは詳しくお伝えできませんが、ざっくりお話すると、

ドクダミの本質的な力とつながる「変容をサポートする」という類の目的でブレンドを考え始めました。

私はその目的に一番見合った「ローズ」を混ぜ合わせることを思いつきました。

3種類のバランスの良い形でハーブティーをブレンドしようと、あと1種類のハーブをいろいろと試したり、何が良いかと思案していました。

そうすると、あともう1種類のハーブについて、自分のアントロポゾフィーの学びの場でこれだと気づく話を聞きました。

これでバランス良く3種類で調和されたハーブティーブレンドが作れたと思ったのですが、なぜか、終わった感じがせず、ドクダミの花の咲くプロセスがとても気になり、花の咲くプロセスをじっくりともう一度観察しました。

そうすると、3ではなくドクダミの総苞葉と同じ数の「4」種類のハーブを混ぜ合わせること、さらにハーブの配合比率についてもその観察から気づくことができました。

頭で考えたブレンドは違うよ!と方向転換させられ、何の植物を使うべきなのか、薬作りに必要な情報が自然に入ったり、観察から気づいたり、人生のプロセスの中で教えられるのです。

ほんとに不思議な体験でした。

薬作りは「成分やその場だけで作るものではない。プロセスだ。そしてそのプロセスこそが自分にとって大きな薬になる。」とドクダミ先生から教わったのです。

いつでも薬創りをおしえてくれるのは植物存在そのものです。

薬作りはプロセスに時間がかかるものですが、そこには植物との対話が含まれ、そのプロセス自体を楽しみながら、そして自分の魂を成長させながら進めることができます。

できあがった薬は、成分のみで作る薬とは作用の仕方が違います。

Medicine(メディスン)の意味

英語でMedicineという言葉は、「医学」「内科的治療」「薬」という意味がありますが、 北米先住部族の使っているMedicine(メディスン)という言葉は、「自然の秩序や法則に沿った生き方」を教えてくれるもののことを意味し、鉱物、植物、動物などあらゆる存在を通じて、自然界を知り、学び、自然と調和した在り方を選ぶことだそうです。

そんな薬創りをしていきたいと思っています。

土屋いづみ

植物観察家:植物の言の葉を読む人。夫と猫4匹と里山で暮らし。
里山に生えている植物や、地球のお庭と名付けた畑で植物を観察しながら、自然の叡智につながる植物観察講座、四大元素と植物観察、里山薬草学、植物から学ぶフラワーエッセンス講座などをお伝えしています。日々のレッスンの様子は、インスタとFacebookをチェックくださいね。
「植物の色・形・ふるまいには意味がある。植物を対話するように観察すれば、精妙な感性や本質を観る目を養う。植物、人間、宇宙のつながりを知る古からの学びや植物との共鳴を通じ、自分と自然の叡智に触れる。」

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