自分には価値がない、何も成し遂げていないと思う人へ

フラワーエッセンスのカウンセリングで、最も多いテーマのひとつに、「自分には価値がない」「人から“すごいね”と言われる何かが自分には何もない」という感情があります。

頑張っても報われないように感じたり、何も成し遂げられていないと自分を責めてしまう。そんなとき、心はとても小さく縮こまってしまいます。

フラワーエッセンスとは、感情面に働きかける植物療法の 1 つで、花のエネルギーを水に転写したものです。不安や恐れ、怒り、パニック、緊張などマイナスに傾いた感情に植物のエネルギーを合わせ、心のバランスを取り戻す ことができます。

今回は、自分には価値がない、何も成し遂げていないと思う感情とどのように付き合ったらよいのか、またどのようなフラワーエッセンスが有用なのか綴ってみます。

朝ドラ「あんぱん」での印象的な言葉

最近では、朝ドラ「あんぱん」の中で主人公・のぶさんが語った言葉が、多くの人の胸を打ちました。

けんど、時々思うがよ。
うちは何のために生まれてきたがやろうって
精一杯頑張ったつもりやったけど何者にもなれんかった
そんな自分が情けなくて
世の中に忘れられたような置き去りにされたような気持ちになるがよ

それに対してたかしが返した言葉↓

のぶちゃんはずっと誰かのために走ってた
いつもいつも全速力でのぶちゃんがいなかったら、今の僕はいないよ
のぶちゃんはそのままで最高だよ

朝ドラ【あんぱん】8月22日放送回

のぶさんの言葉には、誰しもが心のどこかで感じたことのある「無力感」「無価値感」「取り残された感覚」が宿っています。さて、このような感情とどのように向き合っていけばよいでしょうか。

他者視点から自分視点へのシフト

「人からの評価が欲しい」という気持ちは、本質的には「自分の存在を見てもらいたい」「愛されたい」という魂の叫びです。
それを否定せず、「私にはそのような感情があるのだな」とまずは静かに認めましょう。

この「正直な承認」こそが、自己受容の第一歩です。他者のまなざしではなく、「自分のまなざしで自分を見る」力が戻ってきます。

また、長くフラワーエッセンスのカウンセリングを受けていて、そのような感情について取り組み克服したと思っていても、一時的に心が不安定な時、「いつもの癖」が顔を出すことがあります。また戻ってしまった、何も変わらないと思ったりすることもあるのですが、それは一時的なもの。以前とは違います。

特に、ホルモンのバランスの変化の時や、内的に大きな変容が起こる前には、心がゆらぎやすくなるものです。「そういうタイミングなのかも」と知っておくだけでも、少し楽になります。

次に、マズローの欲求段階を例に、お話していきます。

マズローの欲求段階について

マズローは人間の欲求を5つの層に分けました。 人の欲求は2つに分類され、1〜4は「欠乏欲求(D-Needs)」、 5は「成長欲求(B-Needs)」と呼ばれます。

1.生理的欲求(食事・睡眠など)
2.安全の欲求(安心・安定)
3.所属と愛の欲求(仲間・受け入れられること)
4.尊厳・承認の欲求(認められる・評価される)
5.自己実現の欲求(潜在能力を発揮する)

欠乏欲求としての「何者かになりたい」

多くの人が「何者かになりたい」と思うとき、 その根底には「今の自分では足りない」という感覚があります。
これはマズローの言う 欠乏欲求(Deficiency Needs) の領域です。 欠乏欲求は、人間が生きる上で自然な衝動でもあります。 安心・つながり・承認を求める心は、誰の中にもあります。

しかし、この段階では「何者かになる」ことが、 自分の存在価値を証明する手段 になりやすいです。

「人に認められたい」 「結果を出さないと意味がない」 「成功しなければ自分には価値がない」 このように外側の評価を基準にしてしまうと、 どれほど達成したとしても満たされない空虚感が残ります。

成長欲求としての「何者かでありたい」

マズローは、欠乏欲求を超えた先に 成長欲求(Being Needs) があると言います。
それは、「足りない」からではなく、「内にある生命を表現したい」 という衝動です。

「自分の中の光を誰かと分かち合いたい」
「もっと誠実に、自分の真実を生きたい」
「自分の可能性を広げたい」

この段階では、他者の評価は中心ではなくなります。 「何者かになる」ことが目的ではなく、 「自分という生命がどう開いていくか」「自分がどう在るか」「何を体験しているのか」というプロセスが喜びになるのです。

何者かになった、ならない、達成した、達成していないという結果を悲嘆したり、未来の理想像を追う代わりに、「いま、私はどう在りたいか」と問うことがとても大切です。その瞬間、意識の方向が外から内へ反転します。

では、「何者か」という認識についてもう少し考察を深めます。

「何者か」とは、関係性の中で立ち上がる姿

私たちは、誰かと出会うたび、何かを行うたびに、様々な私が存在します。

たとえば、夫いるときの私は、妻としてや、女性としての面があらわれたり、仕事においては、講師としての私が立ち上がり、自然の中では、ただの生命としての私が存在します。

どれも「本当の私」であり、同時に「どれか一つが私ではない」ですよね。「何者か」は、そもそも関係性によって生まれる動的な現象なのです。

そして、誰かから評価されるための「何者かになりたい」から、誰の為に「どう在りたいか」へ。

目の前の人の為にどう在りたいか?焦点を外から内、そして「関係の場」へと移すとき、私たちはようやく自由になります。

自分のあり方が相手や状況によって変わるとき、「軸がない」と感じる人もいるかもしれません。けれど、それはむしろ共鳴できる力・柔らかい感受性の証です。

植物が環境に応じて形や香りを変えるように、私たちの魂もまた、関係性の中で自己を調律することができます。

「成し遂げる」を「表現する」に変える

「成し遂げる」という言葉には、結果を目指す「収縮した緊張」があります。けれど、魂は「表現したい」という「開いた自然な衝動」を持っています。

その衝動を、小さくても日々の創造的行為として表現していくとき、外側の評価よりも内なる充足が育ちます。
絵を描く、文章を書く、植物を育てる、人に優しくする、お菓子を作る、どれもすべて「表現」です。

私は随分前、SNSで発信するのはもうやめようと思ったことがあります。なぜやめようと思ったのか、それは、いつの間にか自分の中で、社会からどのように思われるかを気にしていたり、「誰かに認めてもらうため」「集客のため」「行ったレッスンはすべて記録に残さねば」という結果主義の発信になっていたからです。

「しなければならない」という感覚で、そこに楽しさがなかったのです。

そんなある日、「私はただ祈りたい」という気持ちがある気づきから立ち上がってきました。そうか、私にとって言葉を綴ること、発信することは、「祈り」なのだと府に落ちた時、「SNSで表現したい」という欲求になりました。今日は、何を祈ろうか?この小さな祈りが一人の人でもよいから届くといいなという風に。

そう気づいた瞬間から、SNSが「仕事」や「手段」ではなくなりました。

言葉をつづることが、私にとっての表現であり、祈りの形であり、私の魂の欲求なのです。

欠乏欲求から成長欲求へシフトした瞬間だと思います。

表現とは

「何者かになる」「何かを成し遂げる」、その目的に向かうよりも大切なのは、どう在るか。

「どう在るか=表現」です。

「在る」というのは、結果のために生きることではなく、存在そのものを芸術のように生きることとでもいえるでしょうか。

花はそれを見事に体現していると言えます。外側に開いてただ表現しています。そこには「真・善・美」が存在します。

朝ドラ『あんぱん』の話に戻りますが、その根源的なテーマには、「逆転しない正義」というものがありました。
これはやなせさん自身が言っていることですが、頭で考える正義は、立場や時代、状況によっていとも簡単に「逆転」してしまいます。

昨日まで正しいとされていたことが、今日には否定される、そんなことは、人間の歴史の中で何度も繰り返されてきました。

のぶもまた、かつては“軍国少女”としての正義を信じていました。それは、彼女にとって純粋で、まっすぐな「善」でした。けれど戦争という時代が終わり、その正義が崩れ落ちたとき、のぶの心には深い葛藤が残りました。

たかしと共に生み出したアンパンマンという存在は、彼女たちの中で“逆転する正義”から“逆転しない正義”への祈りそのものでした。

アンパンマンが差し出すあんぱんは、勝ち負けでも、敵味方でもない世界の象徴。「困っている誰かに手を差し伸べる」それだけが、時代を超えてゆらがない善なのです。

自分の人生にとって、自分の人生の中で体験する、ゆらがない、真、善、美とはどのようなものでしょうか?深く考えさせられます。

私が気づくことができた「発信は祈り」も、普遍的な真・善・美の表現の一つです。

「在る」という状態には、真・善・美、全体性、必然、完全、たわむれ、自足、そうした質が、すでに息づいているものです。

それらは到達点ではなく、「在る」という行為の中で、いつも息づいているものです。

どう在るか、それを選択した時、その瞬間、世界はすでに完成しているのです。

おすすめのフラワーエッセンス

フラワーエッセンスは自分がどう在るかを思い出させてくれる花の恩恵です。

〇バターカップ:社会の価値基準に影響され、自分の存在価値に自信が持てない方。過小評価しがちな方。魂の価値、自分の内に光につながるのをサポートします。

〇ラーチ:自分と他人を比べ、自分の能力を認められず、自分を信じることができない人へ。「私はできない」「どうせうまくいかない」と感じるときに。自信の欠如・自己評価の低さ・失敗への恐れの癒し。自分の能力を信じ、行動する勇気を取り戻すのをサポートしてくれます。

〇パイン:何かがうまくいかないとき、「自分のせいだ」と罪悪感を抱いてしまう人へ。パインは、過剰な自己批判をやわらげ、自分自身を許し受け入れることを教えてくれます。

他にも個々人よって必要なエッセンスは違ってきます。エッセンスを飲んでみたい方は、カウンセリングおすすめです。また、フラワーエッセンスを体系的に学びたい方は基礎講座へどうぞ。花と自分の人生と向き合っていく道です。

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〇植物から学ぶフラワーエッセンス講座 基礎
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こちらは座学レッスン&ワークとフラワーエッセンスカウンセリングを組み合わせたメニューになります。
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土屋いづみ

植物観察家:植物の言の葉を読む人。夫と猫4匹と里山で暮らし。
里山に生えている植物や、地球のお庭と名付けた畑で植物を観察しながら、自然の叡智につながる植物観察講座、四大元素と植物観察、里山薬草学、植物から学ぶフラワーエッセンス講座などをお伝えしています。日々のレッスンの様子は、インスタとFacebookをチェックくださいね。
「植物の色・形・ふるまいには意味がある。植物を対話するように観察すれば、精妙な感性や本質を観る目を養う。植物、人間、宇宙のつながりを知る古からの学びや植物との共鳴を通じ、自分と自然の叡智に触れる。」

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