流れる生命、流れる色と形②

こちらの記事は、流れる生命、流れる色と形① – ハーバルメディスン|Herbal Medicine の続きになります。①もご参照ください。

前回は生命と対極にあるであろう機械論のお話、そして意識的にならないと私たちも機械論的なものの見方に捉えられていることも多く物質性に埋没してしまいやすい世の中であること。

そこから脱却するために、植物観察やフラワーエッセンス、ぬらし絵などプロセスを大切にするものが有用であることをお伝えしました。

今日は形からの気づきについてお話したいと思います。

内容:

  • 花と幾何クラブ・朝活フォルメンの始まり
  • 簡単なフォルム(形態)の体験だけど、深い気づき
  • 動きがあって形がうまれる
  • 神とコンパス はじまりは円

花と幾何クラブ・朝活フォルメンの始まり

最近、「花と幾何クラブ」を作りました。クラブですので楽しみながら、自然の言葉である数と形の理解を深め新たな側面から植物を捉えることを目標にしています。月1回の教室の対面レッスンと、朝活をやっています。

幾何学は図形や空間の性質を探求するものですが、そのためにはフォルメン線描が大事ということで、フォルメンレッスンからスタートしています。

フォルメンというのは、フォルム(形態)を魂で感じるために線を流れるようにそのフォルムを描いていくというものです。体も使いフォルムを動いていきます。

小学校1・2年生が行うテキストフォルメン・レッスン1を使い、シンプルな直線と曲線から体験していきました(こちらのブログの中に出てくるフォルムはこの本にあるフォルムです)。この世のものは直線と曲線からフォルムが創られているからです。

フォルメン・レッスン1

朝活で月に6回くらい20分程度、一つのフォルムを画用紙にクレヨンで描くということをやっています。小学1・2年生のものといえども、ものすごく気づきの多い学びになっております。その中で気づいたことをシェアしていきますね。

簡単なフォルム(形態)の体験だけど、深い気づき

ただの記号、暗号?

これ、どんな風にみえますか?ただの記号?暗号?上から4つのフォルムを並べています。

私たちはこういう形を見た時、頭の中で描きはするかもしれませんが、それ以上は探究しません。
基本的に「止まったもの」としてみています。

例えば、2番目の形は「十字」だね、「クロス」だね。3番目の形は「ハの字」だね。はい、おしまい。そんな感じですよね。

これを一つずつ流れるように動いていきました。その線をゆっくりと味わうように何度も線を描いていきます。

テキストの中ではこのフォルムにぴったりと合った詩を読みながらフォルムを描きます。こちらのフォルムは青空に両手をまっすぐ伸ばしている立ち姿。

そのフォルムにしっくりくる色を選んでいくのですが、最初は横線の地面を茶色、縦線を空に手を伸ばすので青色で書いていました。
まっすぐ、まっすぐ空に手を伸ばそうと縦線を描いていると、中心に熱が感じられ、途中から中心を赤色で描きました。地面からの熱も自分が受け取りながら手を伸ばしている感覚だったので、横線にも赤を入れました。
熱を感じながら描いていると、周囲へ拡散していく感覚も感じられ、縦線をさらに黄色で描きました。

シンプルなフォルムなのに、自分の心の奥底から感覚が沸き起こってくるのが不思議です。終わった後、体が温まりました。

体験に合っている、間違っている、良い、悪いはなくて、皆様それぞれの体験と気づきがあります。

こちらのフォルムは両手を左右に大きく広げ樹木になっているイメージのフォルム。樹木なので緑を選びフォルムを体験していきました。呼吸が深くなるのを感じました。

樹木の奉仕的な感覚を感じピンクで線を描きました。その後、喜びに満ちた感覚がしたので、黄色で線を緑に重ね描きました。奉仕的で与えることに喜びを満ちている樹木。

私にも縦線と横線が存在することに気づき、自分の中心を感じる体験になりました。

こちらは両手を斜め下へまっすぐおろしているフォルム。樹木の葉が落ち、寒いし、少し疲れている。そんな詩に合わせて描きました。

このフォルムから両手があるから中心が取れるということ、見えない縦線が現れたように感じました。左右にバランスよく手を伸ばすから自分の直線、自分が在るという感覚が増します。このためにも両手は存在するのだと感じました。

手を斜め下にまっすぐ伸ばすと、天から地への直線よりも緩やかな流れ、血液の流れを感じました。感情や生命も流れているのを感じました。

こちらは腕を下ろし足を踏ん張って立つフォルム。太陽の熱が大地に伝わると赤のイメージ。それが人間のあたたかさにもつながる。そして、天とつながる自分を感じました。
赤(大地)と天(黄色)の間の人間(オレンジ)を感じました。

④まで行うと、①~④へフォルムを動くことによって、まっすぐ立つ人間の力が増すのだなと感じました。

①地球に降り立った人間が②自分の軸と社会の軸の中で生きる。③この世はつらさや重さも感じることがあるけれど、その中で自分の軸を見出していく。④そうすれば天と地につながった人間の立ち姿になる。そんな流れがあるのではないかと気づきました。

とってもシンプルな動きなのに、深い。そしてこのフォルムを動くとまっすぐ立つ感覚が増します。

ただの止まった形が、動きと流れをもって感じることにより、大きな気づきや力を生み出すことに驚きでした。

そして、フォルメンレッスンはちょっと行うだけで、例えば植物の形を見た時のまなざしの変化があります。止まっていたその形が動き始めます。

そして、フォルメンはとても簡単なワークではありますが、一番最初にこのワークをやったとき、生命力がかすかに満ちたのを感じました。(エーテル体に作用するのだなと感じました。)

動きがあって形が生れる

止まった形に、動きと流れを作り出しその形を感じていくということをお伝えしてきましたが、そもそも形は「動きが先にあって生み出されるものです」。

そのことは、ゲーテ・シュタイナー的植物観察の入門書である「百合と薔薇 丹羽敏雄著 涼風書林」でも書かれており、植物の形を観察するときには、その形を生み出した力に想いを寄せる必要があります。

例えば、山から水が流れて川ができますし、血管も血液の流れが生じ、その結果その流れにそって血管が形成されます。彫塑作品も、その結果の形をみるのではなく、それを生んだ作家の心の動きに想いを馳せることでその彫塑作品を本質的に感じることができます。

私たちは単なる自分の記憶で、その形を単純にわかったという「箱」に閉じ込めがちで(機械論的思考)それ以上は探究しようとしません。感じる必要がないと判断してしまいます。

この世の秘密(真理)にはどこからでもたどりつくことができるのですが、この機械論的思考である「結果」は知っていても「過程(プロセス)」を知らぬ状態ではたどり着くことができません。

流れる生命、流れる色と形① – ハーバルメディスン|Herbal Medicine で述べたように、生命本質はプロセスの中で、揺れ動くものの中でたどりつくことができると感じています。

形の力は、三角形にはこんな意味がある、四角形にはこんな意味がある、五角形にはこんな意味があると、ただその意味を知識的に知ったところで、本質的にはあまり意味がなく、その形を動かし自分の中に生まれるものを感じることができて、初めてその本質的な力を知り扱えるのです。

植物の有用成分についても同じ。結果としての産物(成分)を知っていてもそれがどのように作られるかその過程(プロセス)は知らない。結果ばかりを追っていても、その植物の秘密(真理)には永遠にたどり着きません。

その植物の形はどんな仕草であるか?その形の質や理念的なものを捉えていくのが「植物観察」なのです。

神とコンパス はじまりは円

こちらの絵はオーストリア国立図書館収蔵 ウィーン写本 Bible moraliseeの挿絵。

神がコンパスをもって、円を描いています。世界を創造している絵でしょうか。面白いことに枠から右足も出ています。この絵から様々な象徴性が読めるのですが、それはさておき、一つの象徴としてこの世界のはじまりは円であるということを示しているのではないでしょうか。

円を描くには、コンパスの針を刺し、中心を決めて描きます。

円からすべての形あるもの(幾何学)がうまれ、円はすべてを包括するものです。はじまりにはかならず中心点(核)が存在します。

この太陽系も、太陽という中心点が存在し、原子も原子核という中心点が存在します。

My brain is only a receiver, in the Universe there is a core from which we obtain knowledge, strength and inspiration. I have not penetrated into the secrets of this core, but I know that it exists. Nikola Tesla

「わたしの脳は受信機にすぎない。宇宙には中核となるものがあり、わたしたちはそこから知識や力、インスピレーションを得ている。わたしはこの中核の秘密に立ち入ったことはないが、それが存在するということは知っている。」ニコラ・テスラ​​​​

さて、この中心点は、私たちの心の根源でもあると考えられます。

心の根源には幾何学、形が存在するのではないでしょうか。

そしてその心の根源の形と心の在り様、そして体の動きも結びついている。

次回はそんな本質的なお話から、生命というものを考察していきます。「流れる生命、流れる色と形③」に続きます。

「植物の色・形・ふるまいには意味がある。植物を対話するように観察すれば、精妙な感性や本質を観る目を養う。植物、人間、宇宙のつながりを知る古からの学びや植物との共鳴を通じ、自分と自然の叡智に触れる。」

こちらはHerbal Medicineのコンセプトですが、3回の「流れる生命、流れる色と形」を通して、こちらの意味が伝わると幸いです。

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土屋いづみ

植物観察家:植物の言の葉を読む人。夫と猫4匹と里山で暮らし。
里山に生えている植物や、地球のお庭と名付けた畑で植物を観察しながら、自然の叡智につながる植物観察講座、四大元素と植物観察、里山薬草学、植物から学ぶフラワーエッセンス講座などをお伝えしています。日々のレッスンの様子は、インスタとFacebookをチェックくださいね。
「植物の色・形・ふるまいには意味がある。植物を対話するように観察すれば、精妙な感性や本質を観る目を養う。植物、人間、宇宙のつながりを知る古からの学びや植物との共鳴を通じ、自分と自然の叡智に触れる。」

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