植物へのまなざしの変化

昨年の12月~1年かけてお伝えしたHerbal Medicineレッスンが終わりました。

この1年、私が最もエネルギーを注いだレッスンでした。

終わってから、ふと散歩のときになにげなくみた植物たち。

なんだろう?いつもの植物たちなのに、この植物たちを見る感覚がなんとなく変わってる。(いい感じにね)

その時にはうまく言葉にできなかったのですが、この感覚ってたぶんすごく重要なもの。

言葉にできなかったこの「感覚」を、言葉にしてみたのでどうぞお付き合いください。

1年かけて大切にしてきたこと

ユリの仲間の果実と種子

この1年、季節というの流れの中で、芽吹き、葉を広げ、花を咲かせ、果実をつける、そういう自然のサイクルに沿った野生の植物たちを中心に、

目で見て、触れて、じっくりと形態を観察し、スケッチし、もちろん薬効についても学び、たくさんの薬草を活用してきました。

途中新型コロナの影響があり、オンラインになりましたが、オンラインの中でも、この新型コロナパンデミックが起こっている状況を、自然界全体として何が起こっているのか、生態系の視点から捉えていきました。

毎月1回のレッスンでしたが、一度も雨が降らないというお天気にも恵まれて、とても楽しくいつもあっという間に時間が過ぎていきました。

教室の外の空気はすがすがしく、季節をありありと感じます。暑い日も、寒い日もお外へ。1か月も空くと、見える薬草の姿や種類は大きく変わっています。

オオバコ摘み

植物を細部にわたるまでじっくり観察すると、そこには小宇宙が垣間見れ、観察に夢中になりました。

資格取得などの植物療法の授業では、伝えることができないことをたくさん体験して、私のマニアックでおたくな植物への愛を存分に分かち合うことができ満足でした。

そこに付き合ってくれたみんなには感謝しかありません。

みんなの感想はこちら 

私は一つ一つの植物を細部にまでわたり、観察して、その姿・色・形に表れている植物の本質的な力を観るということを大切にしていますが、

冒頭に述べた、言葉にできない「感覚」は、そういった観察を通じて、1つの植物に愛着や畏敬の念がわく感覚とちょっと違うよう。

バッチフラワーレメディがヒントに

その言葉にできなかった「感覚」を理解するきっかけになったことが最近ありました。

毎週木曜日の夜に行っている、バッチフラワーレメディの読書会。ジュリアン・バーナードの「バッチフラワーレメディー 植物のかたちとはたらき」という本をみんなで読んでいます。

第9章の4ヘルパーズを読んでいて、その中のヘザーについての記載の中にヒントがありました。

ヘザーは、自己中心的で、一人でいられない、話好きで自分のことばっかり話し続けるような人に使われるレメディとして知られています。

ヘザーをそんな視点でしか理解していないことはとても残念で、ヘザーにはもっと大きな背景があるのです。

ヘザーは実は「環境レメディ」なのです。

バッチフラワーレメディのヘザーのエッセンス

環境レメディとは?

ヘザーにはほかの植物のように、なぜその感情に働きかけるのか、その植物のジェスチャーにそれが表現されていないそう。

本の中には、「ヘザーのエッセンスは、植物の花に基づいているのと同じくらい、その場所全体の地理的環境に基づいている、環境エッセンスです。」とあります。

ジュリアンはヘザーのレメディーを作った時に、これは「合一」のためのレメディーで、それぞれの植物がその植物らしい在り方を知っているのは、スピリットとつながりを持っているからと気づいたとあります。

植物、昆虫、鳥たちもそれぞれ自らのスピリットとつながり、自分の本性を知っている。

人間はどうでしょうか?そのつながりを持てず、分離感や孤独感を持ち、荒れ果てた広大な魂の空間に一人では耐えられないという状態になっているのではないでしょうか?

ヘザーのマイナスの状態は、こういった分離・孤独感からきているとありました。

ヘザーのエッセンスを取ると、開放、一体感、限界のない全部の一部であるという感覚に導かれるそう。

ジュリアンのヘザーの記載を読み、ヘザーというレメディは、自然と切り離された多くの現代人にとって、とても重要なレメディと感じました。

Herbal Medicineレッスンを受講くださったみんなの感想にも、自然の一部であるという感覚を思い出したとあります。

この1年、Herbal Medicineレッスンが、自然界との関係性を改めて結びなおすきっかけになったのかもしれません。

自然との一体感

実際、この1年かけてお伝えしたレッスンを通じて、私自身も自然界との関係性や一体感が深まったのだと思います。

毎月、旬の植物を3種程扱い、その植物にフォーカスしてきましたが、季節の流れの中で行い、自然界全体と自然に体がなじんだのだと思います。

もうこの里山に住んで8年になるのに。改めて季節の中の薬草を見逃さないように注視して過ごし、みんなと一緒に喜びを感じたのは大きかったと思います。

冒頭に述べた言葉にできない「感覚」は、おそらく、この里山という環境全体との一体感が増したから感じるものと思います。

それは、私自身が、まるで里山の空気のような存在となり、そこに存在するあらゆる生き物や植物を愛おしいまなざしで自然と見るようになったからではないかと、今は感じています。

植物を観るまなざし、また来年も育んでいきましょう。

それはきっと魂を喜ばせることにつながることになりますね。

ミミナグサ

お知らせ

Herbal Medicineレッスンは、
里山薬草学 
植物形態学 
ハーバルメディスン・セルフケアコースのモジュール1「自然のしくみと秩序」
に分割して行うことになりました。

ご興味のある方はお問合せください。
お問合せ

引用図書
「バッチのフラワーレメディー 植物のかたちとはたらき」ジュリアン・バーナード著 谷口みよ子訳 英国フラワーレメディー・プログラム発行

土屋いづみ

植物観察家:植物の言の葉を読む人。夫と猫4匹と里山で暮らし。
里山に生えている植物や、地球のお庭と名付けた畑で植物を観察しながら、自然の叡智につながる植物観察講座、四大元素と植物観察、里山薬草学、植物から学ぶフラワーエッセンス講座などをお伝えしています。日々のレッスンの様子は、インスタとFacebookをチェックくださいね。
「植物の色・形・ふるまいには意味がある。植物を対話するように観察すれば、精妙な感性や本質を観る目を養う。植物、人間、宇宙のつながりを知る古からの学びや植物との共鳴を通じ、自分と自然の叡智に触れる。」

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