Herbal Medicineの植物療法

一般的にアロマやハーブなどの植物療法は植物由来の安心できる天然の成分で健康管理やセルフケアが行えるものとして広く認識されています。

私はもともと医療従事者でしたし、メディカルアロマやメディカルハーブの分野で長く、安全に植物療法を行えるよう有用成分のことや西洋医学の知識をとことん探求し、そこに多くの時間を使ってきました。

でも、植物観察に出会って植物療法の概念が広がり、こんな世界があるなんてと目から鱗でした。

今は「物質的な視点、西洋医学を中心とした視点における医療や健康の価値観の中での植物療法ではなく、私の魂が求める植物療法を伝えたい。鉱物、植物、動物などあらゆる存在を通じて、自然界を知り、学び、自然と調和した在り方を選ぶこと、植物、自然、人間の関係性の中で響きあうもの、共鳴により魂を変容させ成長させていくことを「薬」としたい」こんな風に思うようになりました。

一般的な植物療法の学び

8月に15期JAMHA認定ハーバルセラピストコースが終了しました。こちらのコースは、この15期を持ちまして終了することにしました。

JAMHA認定ハーバルセラピストコースは今年5名の参加者で、島根や鳥取の県外からもわざわざ車でお越しくださり、オンラインではなく教室でレッスンを受講くださいました。

Herbal Medicine では地球のお庭ならではに毎回フレッシュハーブをふんだんに使ったり、レッスン後にはロックガーデンで庭作業をして、いろんなハーブを植え付けたり、収穫したり、大地に触れるということも大切にしました。

楽しいメンバーとのレッスンでいつも笑いが絶えませんでした。本当にありがとうございます。

ハーバルセラピストコースは、JAMHA認定のハーバルセラピストという資格を取得するという目的があり、科学的、体系的な知識に基づいて様々な形でハーブを使いこなし、季節の変化や体調の変化に応じた健やかでホリスティックなライフスタイルを提案できる専門家を目指すためのコースです。

メディカルハーブの歴史、メディカルハーブの安全性、製剤のこと、化学成分のこと、体のこと、栄養のこと、生活習慣病のことなどたくさんの知識を幅広く学べます。

ハーバルセラピストコースはとても需要があり、植物観察をHerbal Medicine で学ばれる方にも、このような知識も必要かと思い、これまで続けてきました。

ただ、結果としての産物である成分(止まった形のもの・物質)に意識を向け、暗記し、資格取得を目指して学ぶという、生命を感じずらい学びの提供に、正直私自身が得るものがなくなり伝えることに熱を持てなくなりました。

植物については写真で確認する程度で知らなくても机上で学べる植物療法。植物がどのようにその成分を生み出すのか、そこに働く力に意識を向けることはありません。

そして、有用成分を活用し、毎回楽しく作れるようなセルフケアグッズを作ります。そして、それを用いケアしていきます。おしゃれで見栄えも大事。そんな植物療法。
これはこれでその時間はテンションがあがりますし、癒されるし楽しい。

これが、今の一般的な植物療法の学びかと思います。

植物の天然成分を用い、自らが健康について意識を向け、病気を予防しストレスケアを行える。そういうことをこれまで知らなかった方にはそのような学びもとても役立つと思います。

私も長くその世界で講師として働いてきましたから、その楽しさややりがいもわかります。

ただ、今は植物観察を通じて、生命を相手にする世界、流れのある世界、植物と共に創造する世界、プロセスこそが薬であることを実感できる世界、そんな世界に生きているので、一般的な植物療法の世界の学びは学び終えたという心境です。

成分という物質的なもの以上の力がその植物に秘められているのを知っています。

私が伝えなくても、一般的な植物療法を伝える方は山ほどいる。

人生も後半、なんでもかんでも自分がやる必要もないし、時間の使い方も大切にしたい。

私が伝えたいこと、私にしか伝えられないこと、地球のお庭の環境を最大限に活かせること、そこに熱をもって取り組むために、また一つ手放すことにしました。

ドクダミのふるまいと言の葉レッスン

スムーズに手放すことができたのは、2期ドクダミのふるまいと言の葉レッスンのおかげです。こちらのレッスンで、私が本当に望むレッスンが叶いました。

昨年12月からスタートし、植物観察の基本的な知識を学び、それからこの3月から実際にドクダミを皆で観察し、8月に観察のまとめの発表を各自行い終了しました。

不思議なことにちょうどJAMHA認定ハーバルセラピストと始まりも終わりも同じスパンで行われました。ハーバルセラピストのコースとドクダミのレッスン、全く違う二つの世界がそこにありました。

全国から8名のメンバーが集まってくれました。オンラインでしかも地域が異なりましたが(北海道の方もおられました)、一つのドクダミという植物を観察できました。

ひと月に1回、2時間のレッスンでしたが、とてもとても濃い時間を過ごすことができました。

一つの植物を皆で観察すると、そのグループに天使が下りてくるといいますが、それを感じずにはいられないレッスンでした。(私はあんまり天使とか妖精とかスピ系のういた話は好きではないのですが。)

ドクダミから必要なことを教えられ、与えられるのです。ここで詳しいことは述べることが全くできませんし、言葉でも全然伝わらないと思いますが、

根茎の時には、ドクダミを通じて根茎で皆がつながり、火をみんなで一緒に囲んでいるようなそんな温かさを感じました。

芽吹きの時には、托葉をこまやかに用い新芽をほかの葉との共同作業で包むドクダミの愛を感じました。

蕾の時には、熱が根茎から花の領域までつながり引き上げられているのを観察しました。パワフルで香りがとても強いつぼみを感じました。

花の時には、根茎の力強さと花の軽さの対比を感じ、花は光であることを感じました。そして、ドクダミの本質的な力は自分の人生を通じ体験しながら受け取っていくことを学びました。

果実の時には、どこにも記録されていない形態的な特徴を発見し、その象徴から最後に王冠を授けられ様でグループ全体で感動しました。

ゲーテは「よく見れば<自然>はその公然の秘密を明らかにする」と述べています。本当にそうです。

ドクダミは私たちに秘密を明かしてくれたのです。

最後のレッスンにこれまでの観察内容をまとめ発表する時間を作りましたが、グループで一つの植物を観察するとは、こんなにも洞察が深まることに驚きでした。

グループの一人一人に役割があり、気づいたことや、感じたり、思ったりしたことを安心して言える場であったこと、足りない視点を補える仲間であったことに心から感謝します。

そして、なんと来年もこの続きをやりたいと思ってくださる方もいて開講することになりました。

一つの植物を2年かけて観察するなんて、意味がわからないし驚きかもしれません。実は、1期のドクダミのふるまいと言の葉レッスンも皆様からの要望で2年行っているのです。

植物観察の重要さ、そしてしっかりと一つの植物と向き合う重要さを認識し、内側からの熱でやりたいと感じるのです。(私も4年目の観察をしたいと強く願っています 笑)

このドクダミを観察したプロセスは、プロセス自体がドクダミという一つの植物と深くつながる体験で、知識の学びとは異なります。

自分の人生に、深くつながる一つの植物と出会えたこと、そして皆とつながっているという喜びを与えてくれました。

このプロセス自体が私たちの内的な成長を促すまさに「薬」なのです。

人生でこのようにつながる植物(メディスン)が一つでも見つかるのは、とても安心感と勇気を与えてもらえることです。

そして、お楽しみのクラフト作りは不要です。

「成分で癒すわけではないから。

土→水→風→火という観察ステップを通じ、逆に物質に閉じ込められた植物の力を解放していく作業であり、その作業全体を通じ植物と共鳴し、私たちも霊的に目覚めていく体験だから。

クラス全体の体験で魂が喜び満ちるから。」

もちろん、植物観察をして製剤をつくることもできます。この世にその植物の霊的本性、本質的な力を観える形で顕現させることができます。

それは短時間でつくるお楽しみクラフトとは全く質の異なるものです。

植物が人間についての本質を教えてくれ、自分を変容させてくれるという概念は普通はおもいもよらない認識なのかもしれません。

でも、せっかくHerbal Medicine に出会ってくれたなら、そんな世界があることに心開いていただけると幸いです。

一般的な植物療法とは異なり、言葉にしずらい世界を皆様に伝わるよう一生懸命言葉にしようとしています。

「植物の色・形・ふるまいには意味がある。植物を対話するように観察すれば、精妙な感性や本質を観る目を養う。植物、人間、宇宙のつながりを知る古からの学びや植物との共鳴を通じ、自分と自然の叡智に触れる。」

こんな植物との関わり方があります。

JAMHA認定ハーバルセラピストコース、ドクダミのふるまいと言の葉レッスン、対極のクラスでしたが、私の中でまじりあい、その経験が統合され、私の知恵になっています。

もうすぐ誕生日。新たなまなざしでスタートしたいと思います。

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〇無料動画レッスン 20分 植物観察とは?
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〇百合と薔薇の読書&解説講座 ゲーテ・シュタイナー的植物観察の入門書
クラスは始まっていますが、アーカイブ受講受付可能
8月開講 オンライン 百合と薔薇 読書&解説会 – ハーバルメディスン|Herbal Medicine (herbal-m.jp)
〇星々と木々の読書&解説講座
植物と惑星のつながりを知りたい方へおすすめ どなたでも
9月開講「星々と木々」読書&解説講座 オンライン&対面受講 – ハーバルメディスン|Herbal Medicine (herbal-m.jp)
〇植物観察を本格的に実践しながら学びたい方へおすすめ どなたでも
9月開講【自然の叡智とつながる植物観察講座】 – ハーバルメディスン|Herbal Medicine (herbal-m.jp)



土屋いづみ

植物観察家:植物の言の葉を読む人。夫と猫4匹と里山で暮らし。
里山に生えている植物や、地球のお庭と名付けた畑で植物を観察しながら、自然の叡智につながる植物観察講座、四大元素と植物観察、里山薬草学、植物から学ぶフラワーエッセンス講座などをお伝えしています。日々のレッスンの様子は、インスタとFacebookをチェックくださいね。
「植物の色・形・ふるまいには意味がある。植物を対話するように観察すれば、精妙な感性や本質を観る目を養う。植物、人間、宇宙のつながりを知る古からの学びや植物との共鳴を通じ、自分と自然の叡智に触れる。」

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